断熱

断熱材の選び方と入れ方:セルフリノベのための完全ガイド

nakajidaiku

記事概要

セルフリノベーションで重要な工程の一つが「断熱」です。断熱材の選び方と正しい入れ方を理解することで、快適な室温を保ち、冷暖房費の節約にもつながります。

この記事では、断熱材の種類と特徴、適切な選び方、施工の手順とコツを詳しく解説します。


1. 断熱材の種類と特徴

断熱材には大きく分けて3種類あります。
それぞれの特徴を理解して、目的に合ったものを選びましょう。

1-1. 繊維系断熱材

繊維系の断熱材は、細かい繊維の間に空気を閉じ込めて断熱効果を発揮します。
代表的なものは以下の通りです。

① グラスウール

  • 特徴: 価格が安く、施工しやすい。燃えにくい。
  • デメリット: 吸湿性が高いため、防湿対策が必要。
  • 適した場所: 壁・天井

② ロックウール

  • 特徴: 耐火性が高く、防音性能もある。
  • デメリット: 価格がグラスウールよりやや高め。
  • 適した場所: 壁・天井・床

③ セルロースファイバー

  • 特徴: 天然素材(新聞紙由来)で、調湿性・防音性に優れる。
  • デメリット: 吹き込み施工が必要で、DIYでは難しい。
  • 適した場所: 壁・天井

1-2. 発泡プラスチック系断熱材

発泡樹脂を使用した断熱材で、熱伝導率が低く高性能です。

① 押出発泡ポリスチレン(XPS)

  • 特徴: 水を吸わず、湿気に強い。硬くて強度がある。
  • デメリット: 耐火性が低い。
  • 適した場所: 床・外壁

② ビーズ法ポリスチレン(EPS)

  • 特徴: XPSより安価で、断熱性能はやや劣る。
  • デメリット: 湿気に弱い。
  • 適した場所: 壁・床

③ 硬質ウレタンフォーム

  • 特徴: 断熱性能が高く、吹き付け施工で隙間なく施工可能。
  • デメリット: 高価で、DIYには向かない。
  • 適した場所: 壁・天井・床(特に高断熱が求められる場所)

1-3. 天然素材系断熱材

環境に優しく、健康被害が少ない素材。

① 羊毛(ウール)

  • 特徴: 吸湿性が高く、防音性もある。
  • デメリット: 価格が高い。
  • 適した場所: 壁・天井

② 断熱材としての木質繊維(ウッドファイバー)

  • 特徴: 調湿性に優れ、環境に優しい。
  • デメリット: 価格が高い。
  • 適した場所: 壁・天井
  • 古民家改修にはおススメ!

2. 断熱材の選び方

2-1. 施工場所に合った断熱材を選ぶ

施工場所おすすめの断熱材
グラスウール、ロックウール、硬質ウレタンフォーム
天井セルロースファイバー、グラスウール
XPS、EPS、硬質ウレタンフォーム
外壁XPS、硬質ウレタンフォーム

2-2. 断熱性能の指標「熱伝導率」に注目

熱伝導率(W/m・K)が低いほど断熱性能が高い
例:

  • 硬質ウレタンフォーム:0.024W/m・K(高性能)
  • グラスウール:0.038W/m・K(一般的)

2-3. 価格と施工性のバランスを考える

DIYの場合、施工しやすさも重要

  • グラスウールは安価で手に入りやすいが、防湿対策が必要
  • 硬質ウレタンフォームは高性能だが、DIYでは難しい

3. 断熱材の入れ方(施工方法)

3-1. 施工前の準備

必要な道具

  • カッターナイフ(繊維系断熱材用)
  • 断熱材カッター(発泡プラスチック系用)
  • タッカー(ホチキス)(固定用)
  • 防湿シート(湿気対策)
  • 気密テープ(隙間埋め用)

3-2. 施工手順(例:壁にグラスウールを施工する場合)

① 下地の確認

  • 壁の骨組みに隙間がないかチェック
  • 隙間がある場合、板もしくは市販の発砲ウレタンなどで塞ぐ。

② 断熱材をカット

  • 柱の間の幅より少し大きめ(1〜2cm程度) に切ることで、しっかりフィットさせる

③ 断熱材の設置

  • 壁の間に押し込むように入れる
  • 断熱材の表面がある場合、室内側に向ける
  • 表面にビニールの貼っている断熱材は次の防湿シートは省略

④ 防湿シートを貼る

  • 湿気の侵入を防ぐため、防湿シートを上から貼る
  • 防湿シートのつなぎ目は25センチほど被せる
  • タッカーで固定し、気密テープで隙間をふさぐ
    特に窓回りは隙間を作らないように。

4. 施工時の注意点

  1. 隙間を作らない → 断熱効果が下がる
  2. 湿気対策を忘れない → 結露するとカビの原因に
  3. 安全対策(手袋・マスク着用) → グラスウールなどは肌に刺激がある
  4. 防湿シートの向きを間違えない → 通気層を確保することも重要

5. あると便利なもの

  • レーザー距離計(正確にサイズ測定)
  • 赤外線サーモグラフィー(施工後の断熱効果をチェック)
  • 防塵マスク(グラスウール施工時に必須)

まとめ

断熱材の選び方と施工方法をしっかり理解することで、快適な住環境を作れます。
特にDIYで施工する場合は、隙間や防湿対策に注意しながら丁寧に作業しましょう!

ABOUT ME
ナカジ大工
ナカジ大工
DIYサポート
長野在住の大工です。 古民家を生かす選択を。 職人が減っていくこれから、DIY人口を増やしていきたい!
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